天若湖アートプロジェクトの目指すもの


 日吉ダムは、桂川流域の治水と京阪神地域での水需要の増大を受けて、平成10年に完成したばかりの新しいダムです。「地域に開かれたダム」のコンセプトのもと、温泉等多くの施設が建設され、多くの来訪者に利用されています。平成16年には、湖面利用のルールも定められ、新しい公共空間である湖面が幅広く市民に開放されることとなりました。
 しかし、新しい水面である天若湖は、地域の歴史文化に根ざした人との関わりを持っていません。バス釣りに代表される釣り客のボートが見られる他には、湖面を利用する人はあまり見られません。
 かつてこの地には、桂川とともに生きた集落がありました。1988年に日吉町によって編まれた「日吉ダム水没地区文化財調査報告書」は、今は平坦な水面となっているこの場所に、実に豊かな生活文化をもった村があったことを伝えています。そして、地域の自然とともにあったその集落が湖底に消えたのは、比較的最近のことなのです。
 わたしたちは、この真新しい場所に昔に負けないくらいの生き生きとした息吹を取り戻したい、と考えます。そして、そのためには、地域の方々の思いとダムの意味を、流域の幅広い市民が知り共有しながら、この場所に触れていくほかないのだと考えます。
 天若湖アートプロジェクトは、風景とアートの力によって、地元と流域内外からの来訪者とが、ともにこの場所の意味について考える機会を創りだそうとするものです。

桂川の河川環境と桂川流域ネットワーク


 桂川とその支流は、1000年以上にも亘って京の都と、都と関わってきた地域を繋ぎ、支えてきました。
 第二次大戦後の広範な開発の中で、川の姿は大きく変わりました。水質は悪化し、生き物は棲みにくくなり、私たちの目に映る景観も損なわれていきました。水害の根絶も目指して整備された護岸やダムも、近年の異常気象の頻発の中で、そのあり方が見直されるようになってきました。
 そして、これらの河川環境の問題は、森や農村、都市の問題と切り離せないものを多く含んでいます。
 川の病いは、川をいじるだけでは治らないのです。
 川を軸とする地域環境の再生のためには、川辺の人とまちの人、上流の人と下流の人、市民と専門家そして行政、それぞれの間での相互理解と合意形成が欠かせません。またその前に、誰もが川にもう一度近づくことが求められています。
 2001年から2002年にわたり、第3回世界水フォーラムに向け、NPO法人世界水フォーラム市民ネットワークと京都府とのパートナーシップによって「桂川上下流交流事業」が開催されました。桂川流域ネットワークはその成果と志を引き継ぐべく生まれました。
 桂川流域ネットワークは、桂川流域を舞台に、そうした水とのふれあいと、コミュニケーションの機会を作り出します。そして、桂川流域のこれからのための、提案と行動を行っていきます。(2005年8月)
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by amawakaAP | 2005-08-27 00:00 | 実行委員会たより | Comments(0)

京都府どまんなか、日吉ダム周辺を舞台としたコミュニティ・アートの祭典です